「熱くない湯気」ファンシーショップの加湿器
最近よく見られる「加湿器」が、ファンシーショップなどで販売されている加湿器です。それらの加湿器は水を沸騰させることなく、白い「湯気」として排出します。仕組みもシンプルで比較的簡易に製造することも出来るため、さまざまなデザインのものが販売されています。
加湿器のブームを牽引するそれらの「沸騰させない加湿器」は、そのスタイルと「熱くない湯気」が対品人気をはくしているのです。それらの加湿器の仕組みは、タンクに溜まった水を超音波などで刺激し、液体としての分子の結合を解きます。すると液体の水は姿を変え、「水蒸気」となって空気中に発散されます。ですが、本来であれば「水蒸気」は透明であるはずなのですが、水蒸気として空気中に含まれるはずの水分をそれらが接する空気が飲み込めない「気温」であるため、霧のような形で「湯気」となって排出されることになるのです。霧状に排出された水分は細かい粒子となっています。そのため、再び空気に触れ合う中で自然蒸発として空気の潤いと化すのです。
これらの加湿器は比較的安価に購入することができます。デザインの種類が豊富なため、どのような部屋にも合う製品を探すことが出来るでしょう。中には「アロマオイル」と併用することで香りのついた霧を発生させるものもあります。まさにライフスタイルに合わせたものを探し出すことができるのです。
ですが、これらの加湿器を使用しても一向に湿度が上がらないという場合もあります。それはそもそもの室温が低い時です。空気は気温が低いと含むことができる水分の量が変わってきます。もともと透明なはずの水蒸気として排出されるべきあの白い「湯気」は、空気が飽和状態であるからなのです。ですから、水蒸気として再度水分を空気に馴染ませるためには、室温を上げておかなければいけません。そのような基本的な空気と湿度の関係を度外視してしまうと、いくら加湿器を稼働させても何の意味もないのです。
また、空気があまり対流しないような状態も意味がありません。空気が対流していないと、粒子として放出された水分が十分に乾いた空気と触れ合えないからです。ですから、ただ白い湯気を出すだけではなく、空気と粒子として放出された水分がしっかりと触れ合うような状態を作ってあげることが大切なのです。それを度外視して使用しても、漂う水分の粒子は一向に空気になじまず、ただ下降していくだけになってしまうのです。
沸騰させず湯気を発生させる加湿器は、確かに水分を空気と馴染みやすいような状態に変化させます。ですが肝心な部屋の空気がそれを受け入れられる状態でなければ、まったく意味がないのです。それはただ水分を撹拌してばらまいているだけです。効果のない状態で利用を続けると、その結果「ただ床が湿っただけ」ということになるでしょう。そのようなことを回避するためには、加湿と同時に部屋を暖めることが必要です。それを忘れたまま使用しても、「インテリア」にしかなりません。また、アロマオイルなどを混ぜて使用するタイプのものを壁や天井の近くで使用すると、それらの箇所を汚してしまう恐れもありますので十分な注意が必要です。それらのことを理解して使用しましょう。