乾燥すると何がいけないのか

空気が乾いてきたことを感覚的に捉えることができるほど、私たちは「湿度」に対して敏感です。「乾燥している状態」は、ある意味「高湿度」の状態よりも健康を害する可能性が高いです。梅雨などの高湿度状態は、「暑い、汗が引かない、洗濯物が乾かない」というような状態であり、「不快」ではあるものの、空調機器を用いることで調節することができます。外にいるときは水分補給などをしっかりと行えば、高湿度で体調が崩れることはありません。ですが、「乾燥」すると体調に深刻なダメージを与えられる可能性が出てきます。それは「ウイルス」や「細菌」の蔓延です。私たちの健康を脅かすウイルスや細菌は、「乾燥して低気温」の状態では空気中を漂いやすいのです。

風邪などの原因となる「ウイルスや細菌」は、人から人へと感染します。それは風邪などの呼吸器系の感染症にかかった人たちがくしゃみや咳などで排出し、そのまま空気中を漂い、それを吸引してしまうことで引き起こされます。空気が乾燥している状態では、このように排出されたウイルスや細菌が空気中を漂う時間が長くなるといわれています。それはウイルスや細菌が纏う水分がすぐに蒸発し、軽くなるからだと考えられます。これが高湿度であれば、水分を失わない細菌やウイルスはすぐに地面や床に落下してしまうのです。乾燥しているだけで、ウイルスや細菌が空気中を飛び回る時間が長くなってしまうのです。だから「感染」してしまいます。寒くて乾燥していると「風邪に罹りやすい」というのは、ひとつは「空気中に滞在するウイルスたちの量が多いから」ということです。

さらに、空気が乾燥することで私たち人間の「喉の粘膜」も乾燥し、これらのウイルスや細菌による炎症を起こしやすくなるといわれています、喉の炎症はそのまま風邪の症状に繋がります。そのようなこともあり、「寒くて乾燥している状態」では私たちは風邪をひきやすくなるのです。身体的にも風邪に罹りやすく、さらにそれが「感染しやすい」のです。

それだけではありません。空気の乾燥は「肌荒れ」を引き起こします。私たちの「肌」は常に水分や皮脂で覆われています。私たちはとても敏感な生き物です。肌には羽毛や毛皮はなく、その代わりに「服」を纏う必要があります。それでもどうしても外気に直接触れる部分は出てきます。それは「手」や「顔」の部分です。それらの部位は外気にさらされることで、もっとも湿度の影響を受けます。「手がひび割れる」という悩みを持つ方は水仕事などを行う方ではかなり多いのではないかと思いますが、それらの方がもっとも症状を深刻化させるのも乾燥の季節です。また、美容などを気にされる方、主に女性の方もこの乾燥の時期は肌を保湿することに腐心するはずです。

「寒い」、そして「乾燥している」という状態は、始まってから収束するまでおよそ半年間はかかります。その間に、私たちはさまざまな工夫を凝らしてそれを乗り越えようと試みるのです。外気はどうしても操作できないものですから、せめて私たちが過ごす環境下においては湿度を上げようと試みます。そのために加湿器を使うのです。湿度が著しく低いと、健康を害することは明白です。健康的に暮らすために、少しでも過ごしやすい環境を整える必要があるのです。乾燥は美容、そして健康の大敵です。「寒さ」は洋服などでしのげるものですが、「乾燥」はそういうわけにはいきません。

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