木製の楽器は乾燥に要注意!

乾燥した状態が影響を及ぼすのは、「人体」だけではないのです。さまざまなものが影響を受けます。乾燥の影響を受けるということは「水分を含んでいる」ということになります。自然界のものはほぼすべてのものが「水分」をはらんでいるといっていいでしょう。動植物などや土は、常に水分を必要としているのです。特に「樹木」などは根から水分を補給し、それらを対流させることなどで水分と同時に吸収した養分を「葉」まで行き渡らせることになります。そして葉などから水分を蒸散させているのです。

そのことを応用した方法として、空気の乾燥を自然に防ぐ試みとして、植物を部屋に置くということが挙げられます。樹木の自然な「蒸散」を利用して、空気に潤いを与えるという方法です。これは緩やかではありますが効果があります。ただ、極端に乾燥した部屋では思い通りの効果が得られないこともあるでしょう。樹木の蒸散だけでは空気中に十分な水分を行き渡らせることが出来ない場合もあります。

空気の乾燥はそれほどまでに自然界の動植物に影響を与えます。それは何も「生きた植物」だけに限ったことではありません。「木」は古来から私たちの生活に沢山利用されてきました。建物しかり、生活の中のちょっとした道具しかり、私たち人間の文明は「木」を加工することで沢山のものを創りだしてきたのです。その中には生活で使うものだけではなく、芸術で使用するものも含まれています。木を利用して作られた「楽器」などがいい例でしょう。

木は加工された状態でもいくらかの水分を含んでいるものです。その中に含まれた水分が蒸発してしまうと、歪みやひび割れなどが起きます。それらの症状は特に「楽器」にとっては致命的であることがあるのです。楽器はその筐体の絶妙なバランスで音色を保っているものです。それが歪んだりひび割れたりしてしまうと、せっかく調節された音色が変わってしまうのです。楽器の音色が変わってしまうということは、まともな演奏ができなくなるということです。まともな演奏ができない楽器は、もはや「楽器」とはいえないのではないでしょうか。

乾燥によって木製の楽器に与える影響は深刻です。ひび割れたりしてしまえば、それは再度潤いを与えても取り返しがつかないものとなります。木製楽器にとっても「乾燥」は深刻な問題なのです。それらの状態を回避するためには、やはり保管場所の湿度に気を配る以外ないのです。保管場所の湿度に気を配ることで、未然に乾燥による楽器の破損を防ぐことは可能です。逆にいえば、それ以外に乾燥による破損を防ぐ手段がないともいえます。

もっとも一般に浸透している楽器に「ギター」があります。ギターにもさまざまな種類がありますが、「ネック」と言われる一般的に左手で弦を押さえて音階を調節する部位はほとんど木製です。乾燥によるその部分与える影響としては、「反り」という症状が挙げられます。ネックが反ると、正確な音階を奏でることができなくなり、調律しても場所によっては外れた音階が出てしまいます。乾燥が楽器に与える影響として、もっとも頻繁に見られる症状です。乾燥状態はこのように木製のアイテムに深刻なダメージを与えることが多いのです。

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